夕空の支度が終わって、二人で手を繋いで出掛ける。
なんか…さっきと違って堂々と外を歩けるような気がしなくもない。
好きな人とクリスマスを過ごす事の特別さを今一度理解する。
『昼間はショッピングでいい?』
「うん。」
『なに、緊張してる?』
「わ!?」
夕空はアタシの肩にわざとぶつかって、意地悪そうに笑った。
デートコース…って言うのかな?
そんなこと考えてもいなかったから、なんだかソワソワする。
『気…抜けよ』
「分かってるんだけど…」
『まっ、お前らしいけどな』
繋いだ手をもう一度、ぎゅっと握り直すと夕空はクスクス笑った。
アタシも素直にならなきゃね。
夕空の前でいつも怒った顔してそう…
でも、どうやって素直に物が言えるのか…
紀衣みたいに天然だったら…
美湖ちゃんみたいにおっとり可愛かったら…
うぅ…考えただけで無理だ。