なんでアタシは強引な渡し方しか出来ないのよ…!
すると夕空はクスクス笑った。
『不器用な渡し方だな』
「ごめん…」
『でも、ありがとな!
開けていいか?』
頷いたアタシを見て、夕空はテーブルの上に紙袋を置いて、中から箱を取り出した。
リボンがシュルっと取られ蓋が開けられる…
恥ずかしい…
『ペアのマグカップ?』
「うん。どう…かな?」
恐る恐る、夕空を見ると夕空は嬉しそうに箱からマグカップを取り出した。
『シンプルで使いやすいな!
イニシャル入でくっ付けたらハートになるのか…』
「あー、もう!
恥ずかしすぎて無理!!」
アタシは普通にシンプルのマグカップにするつもりが、紀衣がハートのマグカップが良いよと押しに押してきたのだ。
柄に似合わないマグカップ…
『なんで?いいじゃん?
俺、Rのイニシャルの方使いたいかも…』
「へ!?」
『いいだろ別に…
好きな人のイニシャルだから。』
「な、なななな…///////」
『ダメ?』
「や、えっと…うん。いいよ」
すると夕空は嬉しそうにRというイニシャルを指でなぞった。