クリスマスか…─────
彼氏と過ごすクリスマスなんて、考えたこともなかったな。
カップルを見たくもなかったアタシはクリスマス当日は基本、家を出なかったからね。
「でも、クリスマス…ケーキは食べたい。」
『いいじゃん、他には?』
「大きなクリスマスツリーも見てみたいし、イルミネーション会場っとまでは、嫌だけどイルミネーションがやってる通りを歩いてみたいかも。」
『会場だと人、多いもんな』
「そ、あれはテレビで見るだけでいい」
『ははっ、じゃぁ適当に場所探しとく』
嬉しそうに笑う夕空の表情が、アタシを誘って自然と笑が溢れた。
好きな人が笑うと、自分までも嬉しくて笑ってしまう。
どんなに不機嫌でも、好きな人の笑顔は元気をくれる。