でも流石に…



「…色違いがいいかな?」


『ははっ、確かに!
じゃあさ、これとかはどう?』



夕空が手を引っ張ったのは、パーカーとニットと帽子が置いてある棚だった。


まさに、ペアルックの登竜門的なアレだ!


色が3種類で、白、黒、紺という落ち着いた冬らしい色だ。



「どれも良くて、迷う…」


『凛時はパーカー派?それともニット派?』


「んー…普段はパーカー着てるかなー?」


『じゃ、ニットだな!』


「へ?」



夕空はニットを手に取ると『どう?』と、渡してきた。


白色の暖かそうなニット…


アタシ、ニットが似合う可愛い女子じゃないんだけど。



「アタシに似合うかなー…?」


『俺はお前に似合わないって思ったものなんか、渡さねーよ?』


「な、なな!」


『俺は紺かなー』



歯を見せてニヤリと笑って紺のニットを手に取って微笑む夕空。


…もう!!



「じゃぁ、このお揃いのニットにしよ」


『ははっ、やった』



目を細めて嬉しそうに笑う夕空を見て、自分の頬が緩むのがわかる。


好きな人の笑顔は格別だ。