さっき、美眞がほんの少し笑った気がした。
いつもみたいに歯を見せてじゃないけど…
でも、嬉しい!
二人並んで学校前の坂道を下っていく…
目の前にはさっきより赤みが増した夕焼け空が広がっていた。
『お前はさ、夕焼け…好きなの?』
「うん。好き」
空は好きだけど、夕焼け空は格別。
なんか、元気出るんだよね!
嫌な事があっても、その景色を見ただけで全て吹き飛んでいくような感じがする。
『俺は嫌い…』
どうしてそんな目をするの?
『…じゃ、俺電車だから。
これ、ありがと』
「えっ!?あ、うん。」
そっか。電車か…
私が電車じゃない事、なんで分かったの!?
定期ケース、付けてなかったからかな?
いや、でもスマホの手帳ケースに入れてる子もいるのに。
まっ、いいや。
ありがと か。
その一言だけで今日はいいや。