髪の毛を掴まれて、ハサミで切られそうになった寸前だった。
大声で叫んで、なんとか間に合って女子を追い払ったけど、美湖は全身の力が抜けてその場で倒れ込み、泣きながらその後こう言ったんだ。
「夕空には…言わないで。
秘密にしてくれるかな?
心配…させたくないの。」
そう言ったあと、笑ったんだ。
身体は震えてるのに…
「ありがとう…ごめんね。
もう助けなくていいからね?」って。
弱いのに、夕空のために一生懸命で…
いつも口を開けば夕空の心配ばかりで。
泣き虫で、優しい女の子。
「こんな私でいいの?」
『美湖じゃなきゃ…嫌だ』
「ありがとう」
『ゆっくりでいいから…
俺と付き合ってほしい。』
すると、美湖は耳元で「うん」と、言ってくれた。
ありがとう。
美湖…
絶対に、悲しませないよ。
逆にいっぱい嬉し涙が見れるようにしてあげる!
ずっとずっと、守ってあげるから!
夕焼け空が沈む太陽を目に、俺は優しく美湖を抱きしめた。
ー洋太 said endー