美湖ちゃんと少し、話をしてから教室へ戻ると、創が駆け寄ってきた。




『凛時、どうもなかったか?』


「へ?ないない!
アタシ、そんなに弱く見える!?」


『うーん…見えへん』


「でしょ?」




笑って席に着くと、美眞は遅れて入ってきた美湖ちゃんを心配そうにみつめた。


その目が…辛かった。


見たくない目…


今は、出来るだけ視界に入れたくない。


…けど




「美湖ちゃんは…大丈夫だよ。」




小さな声で独り言のように呟いた。


美眞を見ずに…


すると手元のスマホが光り、LINEが届いた。




【ありがと】




美眞からの1文。



【何もしてないよ。】


【何があったかぐらい、だいたいわかる。】




なんだ…


やっぱり美眞は美湖ちゃんの事を人1倍よく見てる。


なんか悔しいな…


美眞の瞳に一番映っているのは、美湖ちゃんなんだよね。