《キーンコーンカーンコーン…》




静まった校内に鳴り響く、1限が始まるチャイム




「サボろっか」


「…うん」




落ち着いた美湖ちゃんは廊下に座ると、手を擦り始めた。


アタシは優しく抱きしめて、美湖ちゃんの髪を撫でた。


…誰もが守りたくなるタイプか。


確かに、そうだね。


だから美眞は側にいるんだね。



「夕空くんには内緒にしてね…」


「どうして?」



って、たぶんすぐバレそうだけど。




「心配…かけたくないの。」


「でもこんなこと、初めてじゃないよね?」


「…うん。」




やっぱり…。


あるんだね。


実際に…