何も言えなかった。


美眞のお母さん

ねぇ…どうして、美眞を捨てたの?


傷ついた美眞の心は、簡単には治らないんだよ…



そっと、美眞の手にアタシの手を重ねた。


男らしい、ごつごつした大きな手…




『はぁー…ダメだ。
やっぱり、夕焼けは好きになれねー。』




ぎゅっと目を閉じて首を振った美眞…




「無理に、好きになろうと思わなくていいんじゃないかな。」


『ん?』


「ゆっくり、ゆっくりで良いんだよ。」


『…あぁ』





優しく微笑んだ美眞は、そっとアタシの手を握った。


傷ついた心を、アタシは癒してあげれるかな?


今、隣にいるのが美湖ちゃんなら…


美眞は声を上げて泣いたのかな?