いったい私はどうすればいい?


美湖ちゃんから美眞を奪う?


それは嫌だ。


引き裂くなんて出来ないよ。




『花火はこっちやろ』




俯くアタシの顔を両手で包み込み、上げた創の顔は笑ってた。


お前は何してんねん!って思ってるのかな。


遠くから花火が小さく見える…


小さくて小さくて、しょぼくれた花火。


近くだと、凄く綺麗なのかな…


今、恋人同士で空を見上げている人はいったいどれだけいるのかな?


一番近くで手を互いに握りあって…


綺麗だねってみつめ合って…




『美眞の事、本気で好きなん?』




一本前に立って、夜空に打ち上がる花火を見上げる創は、アタシに質問をした。


本気で…か。




「分かんない。
好きだけど、2人を引き裂くのは嫌」