恋ってね。
一度その人を好きになると
抜け出せなくなるんだよ。
諦めよう。諦めよう。って
何度考えたか分からないでしょ?
アイツが好きな私が消えてくれない。
諦めようとすればするほど、
どんどんあの子に負けたくない思いが強くなる。
だけど強気なのは、心の中だけなんだ。
だから、君にキツい言葉で返してしまう。
忘れようとしてるのに、どうしてこうなったのかな?
ずっと、高1の頃からアイツを見てきた。
ちらっと、目を向けてみる…
窓際の一番後ろの席に座り、いつも仲のいい友達3人で喋っている。
もちろん、アイツの隣にはお決まりのあの子が楽しそうに笑って話していた。
美眞 夕空 Mima yuura
これが
アタシ、神代 凛時 Kamishiro rito
の好きな人の名前。
いつもあのグループの中心にいて、みんなを笑顔にしている。
でも、アイツ
一人になると凄くつまらなさそうに空を見上げるんだ。
いっつも、笑ってるアイツに恋をしたんだ。
だけど、あの子がいるから諦めよう。
そう思って2年に上がったのに!
クラスは一緒になるわ、くじ引きで学級委員が一緒になるわでもう散々…
これっぽっちも、アタシにアイツの事を諦めさせてくれない!
もう、何なの!?
神様、なんの嫌がらせですか!?
イライラしながら、ギッと楽しそうに笑う美眞を睨む。
『何、お前イライラしてるん?』
アタシの前の席に座って、様子を伺ってきたのは、中学2年からの付き合い
中下 創 Nakashita sou
苗字が中下のクセに、成績は上の方。
毎回、テスト勝負してアタシが負けて、ジュースを奢るハメになってしまう。
そして、中学2年の時に関西から引っ越してきたから創は関西弁を使う。
後は、目を細めて笑ったえくぼが可愛い!
っと言うクラスの女の子情報。
「別にー」
『別にって顔してないやんか。
凛時はすぐに顔に出るからな』
そう言ったそばから笑ってえくぼを見せる。
優等生っぽく見えて、意外と胸元のネクタイは少し下げられている。
そして、授業中のメガネ!
目が悪いのはわかるけど、勉強出来ますよアピールにしか見えない!
「はぁー…」
だめだ。
ため息が出てしまった。
『はい、幸せ1つ逃げたな』
「何が幸せよ。
アタシは不幸な事しか起きひんわ」
『あっ、今関西弁使ったやろ?』
「…うるさい」
と、まぁたまに創の関西弁が移ってしまう…
転校してアタシと隣同士になった創は、気づけば日頃からずっと一緒にいる。
でも、創には心に決めた人がいるみたい。
今もその彼女と遠距離恋愛してる。
遠距離恋愛…って、よく2年ちょっとも続いてるね。
みんな、“恋”してるんだ。
それを切るにはどうしたらいいのか…
授業中、やっぱりまたチラッとアイツを見てしまう自分がいる。
さり気なく、斜め後ろを見るとノートも取らず、机にうつ伏せて寝てる美眞。
高1の頃から変わらないスタイル。
それを起こす作業はその前の席に座る人に当たる。
毎回、毎回懲りないやつ。
実は、美眞とはあまり話したことが無い。
『ノート見せて』
「あっ、うん」
という会話とかしか記憶にない!
あの頃は、まぁ…なんというか
好き…だったから話せなかった的な?
タダのアタシの言い訳。