「ところで、悠。
アンタの得意技は?」


「殴る。」


「それは得意技とは言わない。
ナメてんのかコラ。」


あれから一応コイツの情報集め。何も知らない奴程教えにくい奴はいない。




「ナメてねーよ!
これからバシュー!とかドッカーン!みたいなカッコいい技身に付けんだよ!!」


「はい君、撲殺決定(笑)」

オワター。
なんて言いながら、駿足で十発くらい蹴る。




「はい、教える奴撲殺したんで帰ります。さいならギルリア隊長。」


「待て待て待て。
先輩が後輩殺してどうすんの。」


あー、やっぱダメですか。
何て言うかコイツとは馬が合わない気がするんですよねー。


殺っちゃっていーですか?



「ゲホッ、ゴホッ!!」


「!!……タフなの…?」

おかしいな、私確かに手加減はしたよ?(しないと原型わかんないし。)
でも気絶するはずなんだけどな…




「いってー(泣)
お前ホントに女かよι」


「お前こそ男かよ。
女にやられるとかダッサいね。」


コイツめ、一応女だよ。
お前が弱いだけだろが。



「吾妻は技を見て入れたわけじゃない。
そのタフさと、治癒力だ。」


「…ふうん…」


なるほど、だから常人なら気絶する蹴りもタフさと、治癒力でふき返したと。

でも………




「甘いね。
タフさと治癒力だけじゃ暗殺なんて無理。」


「その為にお前がいるんだろが。」


そう、暗殺に必要不可欠な俊敏さが全くない。
気配も探れてないし、殺気も出せてない。




「……こりゃとんだ素人が入ったもんですね…。」



「まぁ、よろしく頼むよ。」


ギルリアのその言葉で、練習は再開する。




―――――――




ドカッ
ガッ
バキ
ドン




「ックソ!
オラァァァ!!」



「甘い。
熱くならない、冷静に物事を考えなさい。」



最初は武道からと言うわけで、まず殴り合いから。




「ここで受け流す、そこで受け身。

受け身をとってからの機転の早さ。
気配を消して近付き、一発で相手を仕留める。」



「ウッ、ハァ…!」



「お!やってるねぇ…vvV」


声の聞こえた方へ目を向けると、グラジオラスがいた。



「何用?」


「用はないけど?
て言うか、前見なくていいの?ι吾妻来てるけど。」


「見なくたって十分。
気配すら隠せないんじゃ、何処向いてたって一緒。」

グラジオラスと話しながら、片手で吾妻の攻撃を防ぎ投げ飛ばすシルビア。




「あははι容赦ないなぁシルビア。」


「いや手加減し過ぎなくらいじゃないか?」


「Σえ、何処が!?」


いつの間にか隣にいたギルリアが訳のわからない事を言う。

まず投げ飛ばした時点で手加減じゃないだろう。




「お前それでも隊長かι?
見てみろ、吾妻の奴いくらタフだろうが、シルビアに投げ飛ばされたら骨の1、2本は折れるがアイツは無傷だぞ。」



「…え…」



確かにあれだけやられたのにかすり傷程しか怪我がない。



「…いっ、てー…ι」



「攻撃を止めない、休まない。
全速力で来なさい。」



「うるせえ!わかってるっつの!!」


また吾妻は全速力で来る。しかし、




「はいはーい、そこまで。
休憩だー!」