組織に帰るとソルディアとイヴが泣いていた。




「っく…、ふぅ…ぅえ…!」


「…ずびっ、カ、ナメにぃ…!」



「まだ泣いてたのかオマエら。」



暗殺組織の一員なら受け入れろと言わんばかりに、ガシガシと二人の頭を撫でる。




「っるせ!…どーせアイツは罰もなんも受けないんだろ…!」



「イヴ!!」



――――パァンッ!!



私がイヴに怒鳴ったと同時に乾いた音が響いた。




「…ギ、ルリア…さん…」


「………」



「いい加減に、しろよ…!!
確かにカナメは死んだ。
だからって毎日毎日墓の前で泣き崩れて…!

カナメが喜ぶと思ってんのか!!」



イヴをビンタしたのはギルリアさんで、今まで見たこと無いくらいに怒りに震えていた。

イヴは放心してギルリアさんを見つめていた。




「ホントならな!
アタシだって…、マリアに怒りたかったよ!

なんで置いてきた!ってな。

でもそれをカナメは望まないし、マリアは実際妻の鏡だ。アタシなんかが、

アタシ達が口出し出来る事じゃないんだよ!!」



カナメが選んだのはマリア。アタシ達じゃない。
と悲しそうに、でも愛しそうに言った。




「ごめ、なさ…ぃ…
やっぱアタシ謝ってきます…」



「マリアさんはもう故郷に帰っちゃったよ…」


やはり後悔していたのか、謝る。とすくっと立つイヴ。そこで申し訳なさそうに帰った事を知らせた。




「…え…!
そ、か…。」



言わなくたってわかる。
イヴは元から人を貶す様な悪い子じゃあない。
今回はカナメが…兄が関わっていたからだ。