「うああああああ!!
た、助けて!!」
「……ウロチョロと…」
SDA区で男一人が逃げまとっている。
その後ろには、蜂蜜色の髪をした僅か15、6歳程の少女が剣を持ち追いかけている。
「ひぃっ!!
し、死にたくない…!!」
「黙れ。」
そして少女は男の命を絶った。
「……五分二十秒、まぁまぁだな。流石だな、シルビア。」
「別に、今日のは逃げ足速かったから。」
シルビアと呼ばれた少女は光の灯らぬ目を目の前の、男に向けた。
「冷たいねぇ、シルビアちゃんは。」
「任務中ですよ、私語は慎み下さい。次ちゃん付けしたら切り刻みますよ、カナメ隊長。」
カナメと呼ばれた男は、手慣れた様子ではいはいと軽く返事した。
「そう言えば、今日新しい子入ってくるんだっけ?」
「なんで疑問系何ですか、しっかりして下さい。」
「手厳しいなー、シルビア。あ、確か男の子だよ!」
「別にそんな詳しく言わなくていいですよ、関係無いですし。」
私は本当にこの隊長が苦手だ、でも嫌いじゃない。
何処と無く、心地好さがあるから。
「へ?あれ、……言ってなかったっけ?
シルビアが世話役なんだけど。」
「………はい?」
前言撤回。
やっぱ死ね。
私の人生の歯車は狂っていた
けれど、キミとの出逢いで歯車は更に壊れた