「はじめまして。
ボク、トリト=ユリウスっていいます。
18歳で、首都にある魔法学校の1年生です。
えっと父さん…じゃなくて、イリア=ユリウスの息子です」


ティアの叔父であるイリアの息子…つまり、ティアの従兄弟だ。
イリアに息子がいることは聞いていたが、会ったことは1度もない。
だから記憶をどれだけ漁っても出てこなかったのだろう。


「はじめまして。
ノルティア=ユリウス、ガイア=ユリウスの娘だから、あなたの従姉妹にあたるわ。
同い年だから、敬語はいらないわよ」

「えっそうなんですか？
もっと大人に見えましたー…じゃなくて、見えた！」


ティアが、ん？と微笑んでみせるとトリトは慌てて敬語をとった。

なんだか、子犬みたいな子だ。
可愛くて、アンジュを見ているときのような、頭を撫でてあげたくなる気がした。