成人達が酔っぱらってくると、大抵未成年は未成年で集まり勝手に遊び始める。
ティアもそろそろろれつが回らなくなってきた親達から離れ、独り好物の、ヴァンパイア国から届いた[酒のつまみセット]に入っていたサシミをつまんでいた。
これがなかなかおいしいもので、どうやら本場ヴァンパイア国では魚のみならず、イカや馬などもサシミとして食べるらしい。
酒を飲んだことが無いくせにつまみ好きのティアはサシミを好んでつまんでいたが、親戚の大半は嫌いらしく、テーブルの上のサシミはほぼ手がつけられていなかった。
美味しいのに…と思いながら独りむぐむぐとサシミに舌鼓をうっていたティアだが、ふと誰かがティアの隣の空いていた席に移動してきた。
ティアと同じ年ぐらいの、金髪癖っ毛でタレ目がちなカワイイ系男子だ。
はて、こんな親戚会ったことあったかしら…とティアが記憶を漁っていると、そのカワイイ系男子が話しかけてきた。