いつもなら、ガイアが『ティアに彼氏?!ダメ!早すぎ!後100年くらいは…!』と騒いだところに、エリザベスが『娘がいつか嫁にいくのは当たり前でしょう』と言ってガイアを抑えてくれる……はずなのだが。


そのエリザベスがまさかこんな反応をするとは。

一応彼氏も好きな人もいないので、誤解しているようなエリザベスに教えておく。


「お母さん…私今彼氏とかいないわよ」


そう聞くと、エリザベスの目が少し穏やかになる。


「本当…?本当ね……?
あの男の息子とはなんの関係もないのね……?」

「え、ええ…というか、会ったことも聞いたこともないわよ。
今まで存在も知らなかったんだから」

「そう…そうよね、良かったわ。
取り乱してごめんなさいね、ほんと」



にっこりと微笑んで通常モードに戻ったエリザベス。
見ていた人達もほっと息をついた。

しかし、エリザベスのあの豹変の理由は知りたい。
こそこそとガイアに近づく。


「ねぇ…お母さん、なんであんなに怒ったの?」

「あぁ…ティア、エリザの甥の話してたのか?」


エリザというのは、エリザベスがガイアだけに呼ぶことを許している彼女の愛称だ。


「ええ」


それでガイアは納得した顔をした。