まずは弱い氷魔法を相手の足下に放つ。
それに驚いた対戦相手はこれから魔法が来ると予想して、自分の前に防御魔法を張った。

しかし、それこそレインの思惑通りだった。

対戦相手が防御魔法を張っている間に、レインは彼女の遥か頭上に巨大な氷の槍を何本も作りだし、後は落とすだけの状態にしていた。

対戦相手が観客の視線から頭上の氷の槍を見つけたが、もう遅い。

「きゃあああああ!」という対戦相手の悲鳴と共に氷の槍が彼女に落下し、彼女は氷の中に埋もれて見えなくなった。


周りからの悲鳴もあがり、先生が急いで試験終了の合図をして対戦相手に駆け寄る。

レインが彼女を覆う氷の山を消し去った。


すると、そこには気絶して無傷で横たわる対戦相手がいた。
先生が彼女を保健室に連れていき、レインがティア達のもとに戻ってきた。
早速ユーリがレインに詰め寄る。


「お前、さすがにやり過ぎだって!
いや、お前が怪我させるようなへましないって分かってるけどさ!」

「分かっているのならいいでしょう」

「よくねぇよ!まじでビビったっつーの‼」


レインは氷の槍が彼女に直撃する直前、彼女の回りに防御魔法を張ったため、怪我するようなことはなかったのだが、それでも死の恐怖で気絶させてしまった。


レインは恐ろしい…

観客の心は今一つになった。