顔をあげれば星輝がいた。
ついに幻覚症状まで出たのかな?
私は自傷気味に笑っては星輝を見つめた。

"アヤナ……久しぶり"

星輝は昔と変わらない。可愛い笑顔で笑ってる。
唯一変わったのは……背中に大きな翼。
真っ白い、天使の翼。

「星輝……ッ、」

星輝を見つめるだけで涙が止まらなかった。
ねえ、貴方はどうして笑えるの?
死んだのは私のせいでしょ?

"アヤナのせいじゃない……"

私の心に答えるように、星輝は笑った。
そしてあの頃のように手を伸ばしてくれた。

"アヤナ、いこ……?"

スッと手をひかれるままに歩き出したのは窓の方、
高さは10階建てマンションの6階。
死ぬことはわかっていた。
でも私は怖くなかった。
だって『 星輝がいるもん』

何年かぶりに微笑んだ私は窓から勢いよく飛んだ。