激しい衝突音と「キャアアアアアッ!!!!」という
私の悲鳴が聞こえた。


見れば、少し先に倒れたバイクと運転していた男。
そして私の左足が無残にもなくなっていた。


その瞬間、私は目をそらしそうになったが
それを堪え、自分の義足を一度だけ撫で
目の前の光景をただ呆然と見ていた。

「アヤナッ!!アヤナッ!!」

ひたすらに私の名前を呼んでくれる星輝だったが
私は痛みなのか足の無くなったショックからか
ぐったりしている


すると、運転していた男は立ち上がって
警察を呼ぶと思いきや、バイクにいれてあった
ペンチを持って星輝に近づいていく。


星輝は気づく様子がなかった。

その時、
幼い私は"せ、ら……ッ、うしろ……"と言った。
それと同時にペンチを持った男は星輝に襲いかかった

「「星輝ッ!!!!」」

私は見ていられず、星輝をかばおうと手を伸ばすも
それは空をかき、星輝は頭から血の雨を降らせた。


男はそのあと何回も何回も何回も、星輝を殴った。


頭蓋骨も割れちゃったのかな?脳みそが見えている。


なにがなんだかわからない幼い私は
"星輝…星輝…"と呟いて目を閉じ、耳を塞いでいる。
……ほんとうに、私は無力だ。