「ひっ…!」



少女の小さな悲鳴に欠伸をしながら起きる。


「ん、起きたか」


───パシッ


「さ、わらないでっ…」


話し掛けた瞬間、手を払われた。


「ひっ、ごめ、なさ…」


パニックを起こしてしまったようで、過呼吸気味になっている。



ビニール袋を口元へもっていくと、ビクッと肩を強張らせ、震えながら呼吸をした。


「もう触らないから。ゆっくり息吸って、吐いて」


そう言って、少し距離をとる。


しばらくして、呼吸がだいぶ楽になったらしい。