高木さんの声と、温もりがだんだんと心を落ち着かせた。
かなり長い時間が経ったのに、高木さんは嫌な顔一つしなかった。
なんか、今日はぼうっとする。頭が熱くて、燃えそうだ。
確かに前にもなった事がある。…冬に冷たいとこに閉じ込められて…
それから、それか…ら…
急に視界がグニャリと曲がって倒れそうになるけど、高木さんが受け止めてくれた。
「うわ、熱っ。藍、熱出てるじゃん」
「…ねつ?」
「うん、ただの風邪ならいいけど…」
そう言って、たいおんけいっていうものを脇の下に挟まれた。
その間に、高木さんは誰かに電話をしている。誰、という意味をこめて服をちょんちょん引く。
ん、唯人と言って三度のコールで繋がって、話を始めていた。