「藍。起きろよ…」
冷えた体を抱きしめると、ピクッと体を揺らした。
良かった…。まだ生きている。
なんか、デジャヴだ。
藍の頬は切り傷がたくさんあって。…また傷増やしたのか。
買ってやった服は土で泥だらけ。まぁ、いいんだけどさ。今度は一緒に買いに行けば。
…なぁ、藍。
藍は知ってんのか?
俺は藍が思っているほど、優しいわけでもないし。
なんでも出来るわけでもない。
本当は冷たくて、きっと嫌っている人の方が多い。
それでも、思うんだ。
お前には優しくしたいし、なんでもしてやりたい、って。
何も知らない藍にもっといろんな事教えてやりたい、って。