空も暗くなってきて、ついたのは施設だった。ここなら。あの山がわかる。捨てられるのがその山だから、結構近かったはず。



少し歩くと、山の入り口に着いた。足の裏は切れて、血が出て腫れていて痛い。



もっと奥に行かないと。



いつも捨てられるもっと奥の、木が茂ったところ。



足はもうガクガクで、普段から歩くことをしない私はその場に倒れた。



このまま死ねたら、どんなに楽だろう。



ふと、高木さんを思い出してしまう。今頃、何をしているだろうか。私がいないのに、気付いているかな。



高木さんの事を考えるとすごく安心する。もう一度だけ、抱きしめられたい、なんて。




「…ひっ、ふっ…うぅ…」





涙が止まらない。




死にたいのに、会いたいと思う。撫でてほしいと思う。声が聴きたい。




…もし生まれ変われたら。もう一度、会わせてください。




2度目の死ぬ覚悟は、とても寂しくて、悲しかった。