明日は来てくれるらしい。ほっとして、藍をみると俺を伺うように見ていた。



「ん?どうした」



「…高木さん、迷惑かける。けが、だいじょぶ、です」



「俺が好きにやってんだから、気にしなくていいよ」



藍は少し考え過ぎだ。この怪我が痛くないわけないのに。


「藍はもう寝てろ。なるべく休んだほうがいい。あ、次自分を抑えたり、我慢したりしたら怒るからな」



少し、優しく言うが、肩を震わせた。


きっと、藍は「怒る」という言葉に敏感だ。今まで、暴力を受けてきたのだから。


でも、俺が言った「怒る」という言葉と藍の知っている「怒る」はおそらく違うだろう。



藍は「怒る」=殴るとか暴力のことなんだと思う。


もちろん俺はそんなこと絶対にしないが。


とにかく、今は自分を大事にして欲しい。


藍は、体をふらふら揺らしながら寝室へ向かっていった。