うーんと頭を悩ませる。出来るだけ人と会わせたくないし。
…あ。
「藍ー、もしかしたらだけど、明日俺の友達来ても平気か」
「ともだち…。わたしの、知らないひと」
「あぁ。」
藍は、顔を歪めながら頷いた。
分かり易すぎだろ。
「大丈夫だ。藍の手当てをしてくれるだけ。痛いことはしない」
撫でてやれば、ほんの少し嬉しそうにした。
少しは心開いてくれたか?
…それはないか。
連絡先から探し、電話のコールを鳴らす。
「あ、もしもし。明日暇?ちょっと人拾っちゃって…そいつ怪我してるから、手当てしてもらいたいんだけど…詳しいことは明日話すから。…んじゃ」
「あっ!おいっ!!ちょ…」
やべ。つい、一方的に切っちまった。
今電話したのは佐々木唯人。高校の時に仲良かった奴で、大学で医学を勉強しているのを思い出した。
こいつなら大丈夫だろう。少しうるさいが、根は優しい奴だ。