キーンコーンカーンコーン――……
そうこうしているうちに、チャイムが鳴った。
「…じゃ、」
自分の席に戻っていく夏野の背中に、俺は軽く手を振った。
…あいつ、一度も顔あげずに本読んでたけど、読んでるのってラノベだよな?
真面目な顔して読んでるから、最初は純文学かと思ってたけど…。
まさかのラノベ。
一気に親近感わいたな~。
あんな真面目にラノベ読むやつはアイツくらいだ。
最近読んでるのは『レモンと妹と砂時計』シリーズだっけ。
ラノベって表紙がちょいハズイの多いけど、あいつカバー付けないよな…。
「…やっぱ変人だなww」
一人呟いて笑った。