「…春野は大丈夫だよ
そこらへんはちゃんと分かってる」


俺は目に見えて焦っていたんだろう。

気を使って夏野がそう言った。


でも俺は

「なんのことだよ?w」

ヘラっと笑って誤魔化す。


「…いや、なんもない」

そう言って、夏野は本の世界に戻っていった。


俺が誤魔化したのに気づいてないのか、気づいているのか。

どっちかわからないほど、夏野は無表情だ。

俺としては気づいてない方が嬉しいんだけどね。


チラッと春野を見る。


…うん、課題と格闘中だ。

早川に話しかける様子は全く無さそう。