「―――でさぁ~海斗(かいと)~」 ちょっと化粧が濃い女が、俺に話しかける。 間延びした声に、 甘ったるい香水の香り、 媚を売るような上目使い。 「ん?何?」 俺は女に、いつもの営業スマイルで対応。 …正直なところ、顔は悪くないと思う。 むしろ上玉だろう。 胸もでかいし。 女としては十分合格点だ。 けど、やっぱ化粧が濃い。 そんなに隠さなきゃいけないかな?