僕が目を閉じたら彼女は愛しそうに僕の濡れた髪の毛を拭いてくれていた、心地の良い優しい触り方で僕は気持ちの奥底から芽生えた気持ちに気づいてしまった。なのに、また彼女は泣きだすんだ、それにそっとこの場からいなくなろうとするから僕は自分の気持ちを少しずつ雨粒に乗せるように話し始めていた。「お姉さん、図書館の人でしょ?僕はお姉さんが寄ってくれたカフェで働いてる雨宮です。」あぁと泣きっ面の彼女が答える。「私の事知ってたんですね、宇川です」二人でかしこまったような会話するからおかしくて吹き出してしまった。「ここにいると迷惑だったら僕が歩いて帰るので、宇川さんはここにいてください。」そう問いかけた。

とっさに彼の背中に抱き付いてしまった自分に驚きを隠せなかった。「宇川さんずるいですよ。」彼照れたように抱きしめる私の手を抱きしめ返してくれた。「雨宮君と一緒に虹みたいです」その瞬間彼がこっちを向くと、「宇川さん、俺達ってすごいっすね」どういう意味なのかなと、彼の見る方に目を向けると「ほら」
さっきまでの大雨がウソみたいにはっきりとした虹が目の前に広がっていた。