『凄いね…』
思わず呟く。

「ここはトモヒロの一番好きな場所。来れるのは俺らだけだった。森と付き合って初めて彼女を連れて来たって言ってた」
遠くを見つめながら話すコウちゃんの顔はどこか寂しそうだった。

『私は愛されてたんだね』
コウちゃんの話しで感じるのは彼に凄く愛されてたことだった。

「あいつが初めて自分から惚れて愛した女だったから…森は幸せそうだったよ、凄く。」
そう言って笑った。

しばらく話しをして夕日が沈み始めた頃コウちゃんは墓石の正面に行く。

私はまだ夕日を見ているとコウちゃんに声をかけられて振り向いた。


そして私は言葉を失う。