『そうだよ、アキだよ!どうして?コウちゃんなんで?』
確実に弱りきっている姿を理解できなかった。

「森…」
いきなり抱きしめられた。

「もういなくならないでよ…何で急にいなくなったりするんだよ。どこにも行くなよ…ここから出て行かないって言ったじゃんか…」
抱きしめる力は強くなっていく。

この時、初めて彼の弱さを見た。
普段の彼からは想像できないほどだった。

『コウちゃん…ごめんね。』
彼が凄い愛おしく感じて泣きそうになった。