「それから仕事を始めたりしたけど長く続かなくてどんどん塞ぎこんでった。だからおれはそいつに一緒に住もうって言ったんだ。」

『どうして?』

「俺にできるのはあいつの側にいてあげることだから。」

私は納得ができなくて首を傾げた。

「人が自分から離れる恐怖って分かる?」

首を横に振る。

「彼氏と別れた時とかに感じるんだって…それを立て続けに何度も経験したあいつはその恐怖に敏感だった。」

『そうなんだ…』
なんだか悲しくなった。

『続き、話して?』

「あぁ」と言ってまた話し始めた。