「ねぇ、茉莉、放課後いつものカフェ行くでしょ?」

「あー、ごめん。今日はパス」

「えー、なんでー?」

茉莉はカバンの中でさっきから、ブルっている携帯をそっと出した。

「ちょっと、茉莉、聞いてる?」

「え、あ、うん。」

茉莉はささっと、返信を打ち、携帯をカバンの中にすりこませた。

「あ!分かった。今日は翔くんとデートなんでしょ?」

「うん。」
茉莉の顔はほのかに薄紅色に色づいた。

「はいはい。どうぞご自由に」

「みづき、ごめん。」

「いいって。冗談。茉莉は翔くんに夢中だもんね。」