「ここ、俺んちだから階段登って右が俺の部屋だから適当に座ってて」
「分かった。」
ひろは下の部屋に行ってしまった。
私は床に座ってまとうとしたけど立ってた。
「みよちゃん。座らなかったの?」
「なんか座れなくて。」
するとひろはギュッと私を包み込んだ。
「ひろ、どうしたの?」
「ごめん。」
彼はそう言って離れた。
離れてほしくなかった。ずっとそのままでいてほしかった。
「ひろ、全部話して。何があったの?最近、笑うけどすぐ下向いてるよね?」
そう。彼は笑うけどすぐ下を向いて悲しそうな顔をする。
「俺は、」
彼は震えた声で話す。
「俺には、兄貴がいる。兄貴は実の母親の子で俺は愛人の子供なんだ。小さい頃はなにやっても兄貴が怒られるし俺のところにずっといてくれた。でも中学校に入ってから親父は俺を無視するようになった。でも俺はそれでもよかった。1番傷ついたのはそのあと。俺は親父に見捨てられたんだ。家に帰ると何もなかった。あったのは5000万と俺の道具だけ。あとは全部ない。それを見て思ったんだ。親父は俺は捨てられた。俺はいらない存在なんだって。」
彼は初めて私の前で涙を流した。
私は彼をギュッと包み込んだ。
「そんなことない!ひろはいらない存在なんかじゃない!」
彼はびくっと驚いたような感じだった。
「チュッ」
私は。
彼にキスをした。
「みよちゃん?」
「……き。」
「え?」
「好きなの。」
私は彼に、告白をしていた。