地面を見つめながら、
桜並木を下っていく。




「今年は同じクラスだといいな」




「チヒロはともかく、アンタと同じクラス?
えぇー!?」




「絶対楽しいって。
俺と夏乃とチヒロの3人ならさ」




「ないわー」




途中ですれ違った人が
そんな話をしていた。





そうか。




もうそんな季節か。




私と同じ名前の季節。




あの人に出会った季節。




そして、あの人と別れた季節。




時間は長いようで短いから。




私もかつて
クラス替えにわくわくしたりしていたんだと思うと
悲しくなると同時に焦りが募った。



早く見つけないと。