「結構、酷いね。
正直、想像以上に酷いわ。

相手のこと 思ってたとしても、これは言い過ぎでしょ。」

「でも、私は 燕 記憶喪失してる……って信じてたから 仕方ないかな⁇って思ってた。」

「……記憶喪失⁇」

あー……そんなこともあったな。

「燕が記憶喪失してる、っていう嘘ついてたの。」

「結構、メルヘンチックだよね。」

メルヘンチック……なのか⁇
実希さんが、俺の方を見て 引いている様子を見せた。

「でも、事故にあって 3ヶ月も目 開けてなくて、片足 動かなかったら 信じちゃうよ。」

「いや、そんなことになったことないから。」

透哉さんが正論だと思う。

「もう未来を手放したりするつもりはないから。

安心して⁇」

「うん。
信じてるよ。今回は裏切らないでよ。」

未来の "今回 “は” 裏切らないでよ" と言う言葉に 思わず 動きが止まる。

「ありがとう。
次、同じことしたら 許してくれなくていい。

それだけのことをしてきた、そう思ってる。」

「反省してくれてるなら、それでいいよ。」

俺は未来の頭を撫でた。

「未来……そのままで許してたら、きっと 何回も繰り返すよ。」

実希さんの忠告も未来は聞き流した。

「好きなんだもん、多分 私は燕に依存してるから。」

「……そう、なんか 私まで恥ずかしくなってきたわ。

早く食べて、ホテル帰ろー。」

実希さんがそう言って、ご飯をさっきよりも真面目に⁇食べ始めたから 皆 ご飯を食べることに集中するモードになった。