「燕ー、生きてる⁇」
未来はそう言うや否や、俺の鼻と口を塞いだ。
どんどんと息苦しく感じた。
「未来ちゃん、放してあげて‼︎
死んじゃうよ‼︎」
透哉さんの一声で未来は俺から手を離した。
「プハッー」
久しぶりに息ができた感じがする……。
「今の方がタコみたいだったよ。」
「嘘⁉︎あんま、見てなかった。」
「写メ撮ったら良かったな……」
「私も見たい‼︎」
「それならさ……」
「「もう1回 すればいいんだ。」
姉妹が話し合い、未来が俺の顔に手を伸ばす。
「2回も同じ手には乗らないよ⁇」
俺は未来の手を引き、胡座をかいていた脚の上にスッポリはまらせた。
「未来にお姉さんが2人居たとか知らなかったんだけど。」
「……それより、燕君 お腹の赤ちゃんのこと 気をつけて。」
……あっ、そうだった。
何となく、いつもみたいにしてたけど、未来のお腹には今 赤ちゃんがいて 衝撃に弱いんだった。
「えっ、未来 お腹に赤ちゃんいるの⁇
知らなかったんだけどー⁇」
「いや、言ってないのに 実希が知ってる訳ないじゃん⁇」
「何で 教えてくれなかったのー⁇」
「君が音信不通だったからだよ。」
ギャグかよ、本当。
「君、って何⁇君、って。」
「実希のことだよ⁇」
「そんくらい分かるわ‼︎」
実希さんは大声をあげた。