母は亜美をもう一度病院につれていった。血液検査と尿検査をしたが異常なし。

 「ゆっくり休んで下さい。」

 家に返されてしまった。どの病院を回っても、異常なし。「気分の問題だ」と、いう医者もいた。そのたびに亜美は自分を責め、体を傷つけた。自傷行為にはしり、手の指の皮を血が出るまで引き裂いては、心を落ち着かせていた。

 貧血で意識が遠くなることもたびたびあった。この頃、ほとんどご飯を食べていなかった。カロリーメイトとヤクルトを一口ずつ食べることが精一杯だった。

 「バカ!!お母さんなんて消えちゃえ!!」

 精神状態が不安定になり、親と衝突した。親が泣いている姿を見たときには流石に反省したが、心の拠り所が何処にもなかった。

 保健室の先生には度々お世話になり、担任の先生もいい人に恵まれた。こんなようすを見かねて、カウンセラーを進めてくれた。

 ――そして、ついにこの病気に出会った。