ホワイトデーになった。拓斗から紙袋が渡された。

 「お返しなんていいのに…。」

 「いいの。」

 そうして拓斗は行ってしまった。

 なかには可愛い動物の消しゴムとお菓子が不器用に押し込まれていた。拓斗らしいな、と微笑んだ。

 (もう、拓斗の隣の席に座れるのはあと少し。恋してると日にちがたつのが早いなぁ…)