森を歩くのは好きです
小動物は可愛いし、木々は安らぎをくれる
そして何より、お祖母ちゃんに会えるから
森の奥で密かに暮らしているお祖母ちゃん
お祖母ちゃんっこの私は、よく遊びに行きます
それに、会えるのはお祖母ちゃんだけじゃない
狼さんにも、会えます。
森を歩いていると、狼さんは、ずっと私を見ています
最初は怖かったけれど、今は、怖くなんてありません
狼さんが、私を守ってくれていることに気づけたから
この前、私が日が暮れてから森を歩いていると、石が全部道の端に避けてあった
狼さんが、息を切らして木の影に隠れているのが見えた
最近は、クマが近くにいるのに気づけなかった私に、低く唸り声をあげて知らせてくれた
狼さんには、助けられてばかり
狼さんに、何度も命を救われた
もし狼さんが私を喰らう日が来ても、きっと私は抵抗しません
もともとお祖母ちゃんと同じく肺を患っている私は、長く生きられません
寿命をこの頃感じているし、命の恩人である狼さんにこの人生を終わらせてもらえるのなら、それでいい。
きっとそれが、幸せなのです