「そういうことね。」

「どういうことだ?」

「私を褒めたら結婚してくれるとでも思ってるんでしょう?」

そう。今までの男達みたいに。
……あいつみたいに。



私は、彼が素直に認めると思っていたのに…

「はぁ?なんでわざわざそんなこと計算して言わなきゃなんねーんだよ。」


思わぬ言葉に私の口が開いてしまう。



「嘘…なんかつかなくていいのに!」


私はそう言い放つと急いで立ち上がりヒールを持ってドアに向かう。



「おい!どこ行くんだよ!もう少し………おい!明日の夕方4時!ここに来い!」


そう叫ぶあいつの声を背中で受けながら私は返事もせずドアを開け中に入った。