「ラーニャよ。この国の姫。」

「え!?あんた姫なの!?見えねぇっ…」

笑いを堪えた顔で私を見る怪しいやつ。
そんな彼を私はキッと睨む。


「ごめんごめん!あ!俺はルーフス。」

「ルーフス…って。」


ラテン語で……

ーーーーー赤。



「そのまんまじゃない!!」

「うっせぇっ!」


照れたように顔を赤らめる彼と笑が止まらない私。その瞬間は初めてあったような気がしなかった。