逢坂は、私の事をそういう目で見ていない。

わかってる。

それでも、いつか…って思ってしまうんだ。

逢坂と一緒に中庭のベンチに座ると

「なぁ、真田。」

「ん?」

「夏休み、花火しようぜ。」

こ…これってお誘い??!!
夏休み、逢坂に会えるの!!!?

「なに?私に会いたいの?」

何言ってんだ、自分…

「お前が俺に会いたいの」

ドキッ

え、心読まれてるの??

「何それ、勝手に決めつけないでよ」

「じゃあ花火やめとく?んな訳ねーよな?俺の誘い断る権限、真田にはねぇーよ。」

そういって、私の頭をポンとする。
や、やばい。嬉しい。

「仕方なく、付き合ってあげる。」

顔をそらせて言った。
ニヤけを抑えられなかった。

「課題ちゃんとしろよ!課題終わらなくて家出れないとかなしだからな?」

「それはこっちのセリフ!」

「約束な。」

そう言って指切りをした。

逢坂と初めての約束。

少し近づけた気がした。