「さっき話してた人は友達??」

あのエロスの事か。

「いや、たまたまぶつかっただけだよ」

「どーせ茉凛の事だから逢坂くんの事でも考えて歩いてたんでしょう?」

くるみは人の話になると鋭い。

「へぇ俺の事、考えてたの?茉凛ちゃん」
その声と共に後ろから軽く抱きつかれる。

「あ…逢坂!なんであんたが!!」

え、待って!!!!
死んでもいいですか??!!!!

「そらいるでしょ。自分の教室の前だからね。」

話に夢中で気付かなかった。
そこは確かに教室の前だった。

「あんたなんか興味あるわけないじゃん!」

いや、興味ありありだって。
何言ってんの私…(泣)

「素直じゃないなぁ~、可愛い奴か。」
そう言って笑う。

片耳から聞こえる逢坂の優しい声。
近すぎる…
そろそろ心臓持たない。

「いいかげん離して!」

「どーしよっかなぁ~」

私をちゃかして笑う逢坂。

あー、もう。
この笑顔、好きっ
大好きだ。

「そろそろ教室はいりなさーい」
先生の声が聞こえる。

すると逢坂の手は離されて、はやく入るぞって囁いた。

赤くなる私をくるみが引きずって教室に入った。