無事に高校が決まって
中学を卒業したあの日
キミは俺の前から居なくなった。
いや、
この世界から消えてしまった。
晴れ渡った快晴の空の日だった。
遺書に、遺骨は海に撒いて、と書いてあるから、おばさんたちはすごく困ってたよ。
こんな時も我が儘で
こんな時でも海を愛して
最後の時まで笑っていたキミ。
嵐で海が荒れている日はキミが怒っていると思った。
風がなく、穏やかな日はキミが泣いているかと思った。
なんで助けてくれなかったの、って
なんで気付いてくれなかったの、って
自分だけ幸せになるなんてひどいって。
窓から見る海は、キミが俺を恨んでいるようで
なんど謝ってもキミには届かない。
体育祭で優勝して、喜んで、ふと見ると目の前には海。
キミがいた。
なんで楽しんでるの。ひどい。
って泣いてた。