「…そっかぁ、ごめんね?無理言って…でも、少しずつでいいから呼んでほしいな」
目が合い、ニコッと笑う橘さんが言う。
そんな彼女にどきっとさせられたのは言うまでもなく…
「はい…」と言うしかなかったのです。
こんな可愛くて美人な彼女にまさかトンデモナイ秘密が隠されていたなんて
このときのあたしはまだ知る由もないのです。
翌日。
「「「きゃーーーーーーー!!!」」」
黄色い声が学校中に響き渡る。
あたしが今いる場所は教室で
奇声のようにうるさい女子たちの声がするのは廊下。
黄色い声の元凶となる人物が廊下を颯爽と歩いている。
その人物こそが
あたしのルームメイトである
橘さんだ。
「「「美樹様っ!!おはようございます~」」」
廊下にいる橘さんを囲ってる女子達が一斉に挨拶をする。
「皆さんおはようございます」にこっ
そんな皆の挨拶に毎日飽きなく返す橘さんってさすがだと思う。
「「「きゃあ~~~っ////」」」
「さすが美樹様、今日もしっかり私たちに挨拶を返してくれますわ」
「それにしたってなんて眩しい笑顔なの!今日も素敵だわぁ~」
なんて女子達の会話を受け流しつつ、橘さんは教室の中に入ってきた。
そして優雅に席に着く姿も品にあふれていて、女子達はまた黄色い悲鳴を上げる。
中には橘さんが歩いただけで気品に溢れた様子を見て気絶する人もいるみたい。
それくらい彼女の存在は大きくてすごい。