「お~い、茉理!」
教室のドアのところで友達と話していた正輝が、いきなり私たちのところに来た。
「なに?」
「何じゃなくて、今日の放課後掃除だから。逃げんなよ?」
はぁ?
「当たり前でしょ。あんたじゃないんだから。」
「お~、そうかそうか。あ、紗希、物理のノートありがとう。マジで助かったわ。」
そう言って紗希にノートを渡す正輝。
「う、うん。」
顔をほのかに赤くしてそれを受け取る紗希。
女の私から見ても可愛いんだけど。
「お~い、正輝~!」
「お~、今行くわ~!じゃな!」
そそくさと戻っていく正輝。
もうさっさとくっついちゃえばいいのに。