「ハハ、そりゃそうだろ。あの子らが茉理に一言ガツンと言い返したらもっとよかったのにな~。」



「はぁ?正輝私の味方じゃないの?」



「女王様にはもう味方がいすぎるほどいるじゃねーか。」



意地悪く笑いながらそう言うと、つられて私も笑う。



正輝は気が合って、男友達の中でもかなり気が合う方。



「そういや今日北高の奴ら何人かとカラオケ行くんだけどさ、茉理もいかね?」



「あー、ごめん。今日は紗希と先約あるから。」



「へー。女王様とか呼ばれてるくせに相変わらず紗希には甘いな。」



なぜか拗ねたように口を尖らす正輝。



「はぁ?何小学生みたいに拗ねてんの。全然可愛くないし。」



「ハハ、ひっで~!」



一緒に笑いあう私達。



「才賀、麻生!お前らはいつもいつも授業中に…!罰として今日の放課後教室の掃除だ!」



ハゲた数学の先生がそう叫ぶ。



え~。



最悪、今日紗希と約束あったのに。





でもまさか、この時紗希が悲しそうに私達のことを見ていたなんて、





今の私は、知る由もない。