は?



「何言ってんの?あんた紗希と付き合ってんでしょ?」



紗希と付き合ってんのになんで私のこと好きとか言うわけ?



「いや、紗希から告白されてさ、断るつもりだったんだけど…



俺が紗希と付き合えば、茉理への嫌がらせもなくなるかな、って思って…。」



もごもごとそう言う正輝に、私の中で何かが切れた。



―パシンッ



教室に乾いた音がしたのは、私が正輝をぶったから。



でも、痛そうに頬を抑えながら私を信じられない、という目で見る正輝に可哀想なんて微塵も感じない。



「あんたふざげてんの?



私が嫌がらせされてんのは全部あんたのせいなの!!



なのに見て見ぬふりしてたあんたを許せたのは紗希と付き合うことになったから!!



紗希がどんな思いで、あんたのこと好きでいたかわかる?



なのにそれを私を守るため、なんてヒーローきどってんじゃねーよ!!



偽善者!!あんたの顔なんて二度と見たくないわ!!!」




「やめて!!!」